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2024.04.05

益城町に「若者の居場所」を創りだす。大学生が運営する、ちょっと田舎のコワーキングスペース

熊本市に隣接する益城町で広がるのは、田園風景と子ども達の笑い声。温かく穏やかな人々が集い、自然溢れる豊かな場所、それが私たちの住む益城町です。


益城町を横断する秋津川

そんな益城町で、大学生が中心となって「若者の居場所」を創り出すべく
運営をしているのがConnet(コネット)というコワーキングスペースです。

コワーキングスペースとして運営を開始し、3年目を迎える今、新しい仲間を探しています。
地域の方々との交流を通して、様々な経験を一緒にしてみませんか。

一緒に活動をするにあたって、特に必要な経験や知識はありません。
「Connetをもっと良くしたい」「益城町を盛り上げたい」
そんな想いがあれば、ぜひご連絡をください。


益城のコワーキングスペースConnet(コネット)

そもそも、Connetってどんな施設?

益城町の名前が全国に知られたのが、2016年にあった熊本地震。一夜にして、この町は多くのものを失いました。その際、多くの方が避難生活を送った仮設住宅に、唯一“木造”の建物がありました。
「みんなの家」と呼ばれるこの建物は、仮設住宅に住む人々の「集いの場」。
仮設住宅という閉鎖的な空間における、住民達の重要なコミュニティであり、みんなが不思議と集まるような愛される場所でした。

目に見える形で復興が進む中で、住まいを再建した被災者の住民達が仮設住宅から続々と退去するようになりました。
それでも、人々が集い、語り、支え合い、気づけば沢山の思い出が詰まったこの「みんなの家」を別の形として残し続けたい、そういった思いから「みんなの家利活用プロジェクト」が益城町を中心とする被災地で立ち上がりました。


益城町内の仮設住宅にあった「みんなの家」

「益城のコワーキングスペースConnet」は、このみんなの家利活用プロジェクトの一環として
ファストフード店やカフェが少なく、若者が気軽に集まる場所が少ない益城町において、特に高校生が集える居場所を創り出したい、そんな思いからスタートしました。

活動はなにからなにまで、スタッフとして活動する益城町在住の大学生が行っています。普段の運営はもちろんのこと、イベントの企画や開催、その他益城町の若者が集いやすい仕掛けを、若者の目線から展開しています。


Connetで開催したまんがのポップ作成イベント。

実際、「Connetで働く」ってどういうこと?

「誰でも入りやすいし、やりたいことができる雰囲気がとてもいいんです」

大学生スタッフのEさんに、「Connetで働くこと」について聞いてみました。


Connetでのイベント開催に向け、準備をするスタッフ

「働く前は、Connetという町の施設での仕事に、自分の将来に繋がるあらゆることに携われるだろうな、というドキドキや期待感がありました。」

当時志望していた職種にぴったりの経験ができると感じていたEさん。スタッフ自身であらゆる活動の決定・実行をしていくことに、充実と同じくらい、難しさも感じていたそうです。

「当時は設立されて間もない施設だったので、この施設の認知拡大をどのように図っていくのかが難しかったです。特にSNSなどは、どのような投稿をすればよいのかが分からず、とても難しい想いをしたのを覚えています。」

施設のスタートからほとんどすべてのことにおいて自分達が裁量権を持ち、あらゆる決定がそのまま“Connet”という施設そのものの取り組み・方針となる、スタッフとしての活動。その中で、大きな転換点があったとのお話を聞きました。

「始まりは、スタッフ同士の『Connetの庭、なんだか活用されていないよね』という何気ない会話でした。」


普段のConnetの建物と庭

通常の民家にある庭の2~3倍ほどの広さを持つConnetの庭が、何にも使われないまま寂しく佇むのを目にして、他のスタッフと妄想を膨らませたとEさん。

そこからは妄想の世界でした。(笑)キッチンカーやお店を呼んだら面白そう、なんて話をして。ちょうど認知度向上にも迷っていた時期だったので庭の活用と合わせて、イベントを企画しようと決定をしました。」

自分達にとっても初めての取り組みに、たまたま重なった4月という時期。イベントに「挑戦」というテーマを据え置いて、キッチンカーやお店をお呼びしたマルシェを開催されたそうです。


”挑戦”をテーマにマルシェを開催。青空の下で庭も賑やかに

「実際にスタッフと1つのことに向かって取り組んでいくのは、とても難しかったです。でも、ひとりではなくみんなと一緒に、目指していた空間や形を作り出せるのがとても楽しいです。また、イベントを開催することで、沢山の人がConnetを知ってくれたこともやりがいに繋がりました。」

誰かとなにかを実現していくことに、難しさと同じくらいのやりがいや楽しさを感じるとEさん。当年度にマルシェを春・冬で2度開催、21店舗のお店をお呼びして、総計450名以上の方が足を運ぶ、一大イベントの開催を実現していました。


クリスマスに開催したマルシェは、Connetも華やかに彩られおしゃれな雰囲気に。

「他のアルバイトをしていたとしても、掛け持ちとしてConnetで働くことは可能だと思います。私もそうだったので。そしてもし少しでもConnetで働くことに興味があれば、やった方がいいと思います。私もConnetでスタッフをしてみて、たくさんの経験が積める貴重な仕事だと思うようになりましたから。入ってみたらわかります。」


「お金で買えない体験が沢山できるのがConnetなんです。」

そう語るのは、今年県内の企業に就職することが決定している大学生スタッフのSさんです。
働き方だけでなく、Connetの活動方針について共鳴する部分があったとSさん。

「当時は、将来のことをこれっぽっちも考えていなかったんです。大学を卒業してなにがしたい、というのが自分にはなかったけど、 “居場所”をつくり出していくというConnetのコンセプトを聞いて、なにか自分の視野
や、人生が広がるかもしれない、直感的にそう思いました。」

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Connet室内の様子

Connetでスタッフとしての活動を始めて、様々なことに挑戦されてきたSさん。特に学生向けのイベント企画・開催やその他の活動に、熱心に取り組まれてきたそうです。

「学生がもっと、Connetを利用してくれるように。そういった想いから、2022年より学生向けの取り組みをスタートしました。」

社会に出る前の重要な期間を過ごす、大学4年間。それらの時期をいかにConnetとともに過ごしてもらえるか、そういったことを考えていらっしゃったそうです。

「就職活動や、ボランティア・学生団体などでの学外活動、そういったものの情報をConnetを通していかに得るか。あるいはConnetに集まる学生といかに盛り上がって、そういった活動を一緒に出来るか。そんなことを考えながら、就活イベントを開催したり、学生と経営者の方々との対談の機会を設けたり、学生が持つ想いや、行っている活動について発表する機会をつくると共に、その想い・活動に並走する環境を整えたり。そういうことをしていました。」


2024年2月に開催した学生向けイベント。30名近くの学生が来場。

活動を通して多くの人に出会い、交流し、繋がりをつくることができたとSさん。

「学生向けの取り組みで学んだことは沢山ありますが、1番大きかったのはやはり“人との出会い”。人との出会いって、お金で買えたりするものではないと思うんです。そういった唯一無二の貴重な経験を、Connetでは沢山させてもらいました。」

大学生が、もっとConnet利用をしてくれるように。
そういった思いで様々な取り組みをされてきたSさんは、それらの活動から沢山のことを学んだとお話をしてくれました。

「Connetでは、中高生が楽しんでいたり、落ち着いて勉強をしていたり、そういった姿が見れるのもやりがいだと思います。スタッフも大学生なので、スタッフ同士で話をするのもとても楽しかったです。」

益城町で、若者の居場所を創り出すべく少しずつしっかりと歩みを進めてきたConnet。これからはさらに若者が集いやすく、またConnetから新たなチャレンジがたくさん生まれて、それらが地域と繋がりながら少しずつ大きくなっていく。そのために、若者や地域により広く情報を発信していくとともに、「Connetとしての価値」を見いだし、伸ばし、定着させていく。そんな取り組みをさらに加速しながら、「若者の居場所」としてのあり方をさらに模索していきたいと考えています。

色々な想いが詰まった、ちょっと田舎の小さなコワーキングスペースで、一緒にチャレンジしてみませんか。

益城のコワーキングスペースConnet

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